体調が少し戻ってきて、そろそろ復職を考えてもいいのかもしれない、と思い始めた時期は、案外落ち着きません。何から言い出せばいいのか、誰が決めるのか、いつ戻ることになるのか、どれもはっきりしないまま日が過ぎていきます。

ただ、この手続きには一応の型があります。厚生労働省が「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」という文書を出していて、そこでは休業の開始から復帰後のフォローアップまでが5つのステップとして整理されています。会社向けに作られた文書なので、本人には読まれないまま進んでいくことが多いのですが、中身を知っておくと、いま自分がどのあたりにいるのかが分かります。

この記事では、その5つのステップと、誰が何を判断するのかを整理します。実際の運用は会社ごとに違いますが、骨格はどこも似ています。全部を今日覚える必要はないので、自分が近いところだけ読んでもらえれば十分です。

復職は5つのステップで進みます

職場復帰支援の5つのステップ

  1. 1病気休業開始及び休業中のケア診断書を出して休職に入り、会社から事務手続きと職場復帰支援の手順の説明を受ける
  2. 2主治医による職場復帰可能の判断本人が復職の意思を伝え、会社が職場復帰可能と記された診断書の提出を求める
  3. 3職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成情報を集めて可否を判断し、復帰日と配慮の内容を決める
  4. 4最終的な職場復帰の決定会社が復職を決定し、就業上の配慮の内容とあわせて本人に通知する
  5. 5職場復帰後のフォローアップ復帰後も面談などで様子を見ながら、プランの評価と見直しを続ける
実際に職場に戻るのは第4ステップと第5ステップのあいだです。このうち本人が動かすのは、第2ステップの入り口で復職の意思を伝えるところと、第3ステップで自分の希望を伝えるところが中心になります。

手引きは平成16年10月に公表され、平成21年3月と平成24年7月に改訂されています。改訂版の全文を収載したパンフレットでは、職場復帰支援の流れが次の5段階で示されています。

ステップ 手引きでの名称 この段階で起きること
第1ステップ 病気休業開始及び休業中のケア 診断書を出して休職に入ります。会社から事務手続きや職場復帰支援の手順の説明を受けます
第2ステップ 主治医による職場復帰可能の判断 本人が復職の意思を伝え、会社が「職場復帰が可能」と記された診断書の提出を求めます
第3ステップ 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成 必要な情報を集めて復職できるかを判断し、復帰日や配慮の内容を決めたプランを作ります
第4ステップ 最終的な職場復帰の決定 状態の最終確認を行い、会社が復職を決定して本人に通知します。ここを過ぎて職場復帰になります
第5ステップ 職場復帰後のフォローアップ 復帰後も面談などで様子を見ながら、プランの評価と見直しを続けます

実際の職場復帰そのものは、第4ステップと第5ステップのあいだに置かれています。つまり手引きの設計では、戻った日がゴールではなく、そこから先も支援の一部として続くことになっています。

いま自分がどこにいるかは、だいたい次のように見当がつきます。休職に入ったばかりで療養に専念している時期なら第1ステップです。復職を考え始めて主治医に相談しようとしている段階なら第2ステップの入り口です。診断書を出して会社と面談が始まっていれば第3ステップに入っています。

なお手引きには、第3ステップ以降が対象としているのは「医学的に業務に復帰するのに問題がない程度に回復した労働者」だと書かれています。まだそこまで戻っていないと感じるなら、いまは第1ステップの続きにいるということで、それは遅れているという意味ではありません。

誰が何を判断するのか

ここが一番誤解されやすいところです。復職の場面には何人もの立場の違う人が関わりますが、それぞれ見ているものも、決められることも違います。

立場 主に見ているもの この人が決めること
本人 自分の体調と、これからの働き方の希望 復職を申し出るかどうか。希望する配慮を伝えること
主治医 日常生活における病状の回復の程度、治療上の支障の有無 「職場復帰が可能」という医学的な判断を診断書に書くこと
産業医など 主治医の判断と、その職場で必要とされる業務遂行能力の内容 両者を精査したうえで、とるべき対応を判断し、会社に意見を述べること
管理監督者(上司) 職場の受け入れ準備、業務の内容と量 就業上の配慮の中身を検討し、復帰後に観察と支援を行うこと
人事労務管理スタッフ 労働条件、勤務制度、配置 人事労務管理上の対応を検討し、手続き全体を調整すること
会社(事業者) 上記をまとめた全体 最終的な職場復帰の決定。本人への通知

主治医が見ているのは病状の回復です

手引きには、主治医による診断書の内容は「病状の回復程度によって職場復帰の可能性を判断していることが多く、それはただちにその職場で求められる業務遂行能力まで回復しているか否かの判断とは限らない」と書かれています。

これは主治医の判断が甘いという話ではありません。診察室で分かるのは、睡眠や食事が戻ってきたか、日常生活が送れているかといったことで、あなたの職場の締め切りの厳しさや通勤時間の長さまでは、伝えない限り分かりません。だから同じ「復職可能」という言葉でも、医師が想定している水準と会社が求める水準がずれることがあります。

手引きも、あらかじめ主治医に対して職場で必要とされる業務遂行能力の内容や社内の勤務制度に関する情報を提供したうえで、就業が可能だという回復レベルで意見書を書いてもらうことが望ましい、としています。復職の診断書を頼むときに何を伝えておくとよいかは、復職の診断書についての記事にまとめています。

最終的に決めるのは会社です

手引きの第4ステップは「最終的な職場復帰の決定」で、そこには事業者による最終的な職場復帰の決定を行い、労働者に対して通知するとともに、就業上の配慮の内容についても併せて通知する、と書かれています。

つまり主治医の診断書は、復職の許可証ではなく、判断のための重要な材料です。この構造を知らないまま「医師がいいと言ったのに会社が渋っている」と感じてしまうと、話がこじれやすくなります。逆に構造が分かっていれば、会社が知りたいのは職場での業務遂行の見通しなのだと理解して、そこに答える準備ができます。

産業医は、あいだをつなぐ立場です

産業医などは、職場復帰支援のすべての過程で、管理監督者や人事労務担当者を専門的な立場から支援し、必要な助言と指導を行うとされています。特に主治医との連携では中心的な役割を担い、就業上の配慮が必要なときには会社に意見を述べる立場にあります。

ここで知っておくとよいのは、産業医がいない会社もあるということです。厚生労働省の産業医の選任についての解説リーフレットにあるとおり、産業医を選任する義務があるのは、常時50人以上の労働者を使用する事業場です(労働安全衛生法第13条、同法施行令第5条)。50人未満の事業場では、人事労務管理スタッフや管理監督者、衛生推進者などが主治医と連携し、地域産業保健センターといった外部の資源を活用しながら進めることになります。

なお、産業医が主治医から情報を集めるときは、本人の同意を得たうえで行うとされています。健康情報は個人情報の中でも特に慎重に扱うべきものとされていて、勝手に主治医と話が進むことが前提にはなっていません。

第1ステップ 休職に入るときに決まること

第1ステップは、診断書を提出して休職が始まる段階です。会社は本人に対して、必要な事務手続きや職場復帰支援の手順を説明することになっています。療養に専念できるように、次のような情報提供を行うことも挙げられています。

  • 傷病手当金などの経済的な保障
  • 不安や悩みの相談先の紹介
  • 公的または民間の職場復帰支援サービス
  • 休業の最長(保障)期間など

この最後の項目が、あとになって効いてきます。休業の最長期間や、いったん復職してから再び休むときの扱いをどうするかは、就業規則などにあらかじめ定めて周知しておくことが望ましいとされています。復職を考え始めた時点で、自分の会社の期間がいつまでなのかを確認しておくと、その先の判断がしやすくなります。休職に入る段階の手続きは休職の手続きと過ごし方に、お金の話は傷病手当金がもらえないケースにまとめています。

第2ステップ 復職の意思を伝えて、診断書を出す

復職の意思が会社に伝わると、会社は本人に、主治医による職場復帰可能の判断が記された診断書の提出を求めます。診断書には、就業上の配慮に関する主治医の具体的な意見を含めてもらうことが望ましいとされています。

始まりは本人からの申し出です。誰かが呼びに来るわけではないので、ここは自分で口を開くことになります。ただし、この時点で「いつから戻ります」と約束する必要はありません。第2ステップは可否を決める場ではなく、判断のための材料をそろえ始める段階です。

診断書の書き方や依頼のしかたについては、別の記事に分けてあります。ここでは、復職の申し出が診断書の依頼とセットで動くという流れだけ押さえておけば大丈夫です。

第3ステップ 情報を集めて、プランを作る

手引きが職場復帰支援の中心的な役割を果たす段階だと位置づけているのが、この第3ステップです。産業保健スタッフなどを中心に、管理監督者と本人のあいだで十分に話し合いながら進めることになっています。

何が集められ、何が見られるのか

情報の収集と評価として挙げられているのは、次のような内容です。

  • 本人の職場復帰に対する意思の確認と、職場復帰支援プログラムについての説明と同意
  • 産業医などによる主治医からの意見収集(本人の同意を得たうえで行われます)
  • 本人の状態などの評価(治療状況と病状の回復状況、業務遂行能力、今後の就業についての本人の考え、家族からの情報)
  • 職場環境などの評価(業務や職場との適合性、職場側の受け入れ準備の状況)
  • その他(治療に関する問題点、本人の行動特性、家族の支援状況、職場復帰の阻害要因など)

判断基準については、定型的なものを示すのは困難で、個々のケースに応じて総合的に判断するとされています。そのうえで例として挙げられているのが、十分な意欲を示していること、通勤時間帯に一人で安全に通勤できること、決まった勤務日と時間に就労が継続して可能であること、業務に必要な作業ができること、作業による疲労が翌日までに十分回復すること、適切な睡眠覚醒リズムが整っていて昼間の眠気がないこと、業務遂行に必要な注意力と集中力が回復していることなどです。

ここで手引きが明記しているのは、業務遂行能力が職場復帰の時点ではまだ発病前の水準まで完全には改善していないことも考慮したうえで、職場の受け入れ制度や態勢と組み合わせながら判断する、という点です。100点まで戻っていることが前提にはなっていません。

職場復帰支援プランに書かれること

復職が可能と判断された場合、その人ごとに職場復帰支援プランを作ります。検討する項目として挙げられているのは次のとおりです。

項目 具体的に検討されること
職場復帰日 本人の状態と職場の受け入れ準備の両方を考えて決めます
管理監督者による就業上の配慮 業務のサポートの内容と方法、業務内容や業務量の変更、残業や交替勤務の制限、就業時間の短縮、通院のための外出許可など
人事労務管理上の対応 配置転換や異動の必要性、フレックスタイムや裁量労働などの勤務制度変更の可否、出張制限や業務制限の可否
産業医などによる医学的見地からの意見 安全配慮義務に関する助言、職場復帰支援に関する意見
フォローアップ フォローアップの方法、就業制限を見直すタイミング、すべての配慮や医学的観察が不要になる時期の見通し
その他 本人が自ら責任を持って行うべき事項、試し出勤制度の利用、社外の職場復帰支援サービスの利用

見落とされやすいのは、フォローアップの方法と見直しのタイミングが、復帰する前の段階でプランに書き込まれることになっている点です。復帰してから困ったら相談する、ではなく、いつ見直すかを先に決めておく設計になっています。面談の場で希望を聞かれたときは、この項目に沿って話すと通じやすくなります。

「まずは元の職場への復帰」という考え方

手引きには、職場復帰に関しては「まずは元の職場への復帰」を原則とする、と書かれています。理由もはっきり示されていて、たとえより好ましい職場への配置転換や異動であっても、新しい環境に適応するにはある程度の時間と心理的な負担がかかり、そこで生じた負担が疾患の再燃や再発に結びつく可能性が指摘されているからだ、とされています。

そのうえで、今後配置転換や異動が必要と思われるケースでも、まずは元の慣れた職場である程度のペースがつかめるまで業務負担を軽減しながら経過を観察し、その後で異動を考慮したほうがよい場合が多い、と続きます。異動が禁止されているのではなく、順番の話です。

ただし手引きは、これがあくまでも原則だとも書いています。異動などをきっかけに発症したケースでは、新しい職場にうまく適応できなかった結果である可能性が高いため、適応できていた以前の職場に戻すか、他の適応可能と思われる職場への異動を積極的に考慮したほうがよい場合があるとされています。ほかにも、職場要因と個人要因の不適合が生じている可能性がある場合、運転業務や高所作業など一定の危険を有する業務の場合、元の職場環境や同僚が大きく変わっている場合などが挙げられています。

元の職場に戻るか、変えてもらうかは、それだけで一つの大きな悩みになります。この記事では手引きの考え方を示すところまでにして、判断の材料は復職するとき、元の職場に戻るかどうかにまとめています。

試し出勤は、制度がある会社で使えるものです

復職の話を調べていると「リハビリ出勤」「試し出勤」といった言葉が出てきます。手引きでは、正式な職場復帰の決定の前に行うものとして、次の3つが例示されています。

呼び方 内容
模擬出勤 通常の勤務時間と同じ時間帯に、デイケアなどで模擬的な軽作業やグループミーティングを行ったり、図書館などで時間を過ごしたりします
通勤訓練 自宅から職場の近くまで通常の出勤経路で移動し、そのまま、または職場付近で一定時間を過ごしてから帰宅します
試し出勤 職場復帰の判断などを目的として、本来の職場などに試験的に一定期間続けて出勤します

ここで大事なのは位置づけです。手引きは「社内制度として、正式な職場復帰の決定の前に、以下の①から③までの例に示すような試し出勤制度等を設けている場合」という書き方をしています。つまり、会社が制度として設けている場合に使えるものであって、法律上どの会社にも用意されているものではありません。就業規則に見当たらなければ、自分の会社にはない可能性があります。

制度がある場合でも、いくつか押さえておくとよい点が手引きに書かれています。導入にあたっては、その間の処遇や災害が発生した場合の対応、人事労務管理上の位置づけについて、あらかじめ労使間で検討してルールを定めておく必要があるとされています。作業について使用者が指示を与えたり、作業内容が業務にあたる場合などには労働基準法などが適用される場合があることや、賃金についても合理的な処遇を行うべきことに留意する必要がある、とも書かれています。

運用についても、事業場の側の都合ではなく、労働者の職場復帰をスムーズに行うことを目的として運用されるよう留意すべきだとされています。特に試し出勤については、目的を達成するために必要な時間帯や時期、期間に限るべきであり、いたずらに長期にわたることは避けること、と明記されています。無給のまま長く続くような形は、手引きが想定しているものではありません。

また、この制度を使うときは、産業医なども含めて必要性を検討するとともに、主治医からも療養を進めるうえでの支障にならないという判断を受けることが必要だとされています。自己判断で始めるものではないので、主治医に相談してから進めることになります。

第4ステップ 会社が復職を決定します

第3ステップまでの検討を踏まえて、会社が最終的な職場復帰の決定を行います。この段階で行われるのは次のようなことです。

まず、疾患の再燃や再発の有無、回復過程における症状の動揺の様子について、最終的な確認が行われます。産業医などが選任されている事業場では、産業医が就業に関する最終的な措置をまとめた「職場復帰に関する意見書」を作成します。その内容を管理監督者と人事労務管理スタッフが確認したうえで、会社が復職を決定し、本人に通知します。このとき、就業上の配慮の内容も併せて通知されることになっています。

手引きには、就業上の配慮は本人の健康を保持し、円滑な職場復帰を実現することが目的なので、その目的に必要な内容を超えた措置を講ずるべきではない、とも書かれています。配慮という名前で必要以上に業務を取り上げることは、想定されていません。

もう一つ、決まった内容が本人を通じて主治医に的確に伝わるようにすることが重要だとされています。決定を受け取ったら、次の診察でその内容を主治医に伝えておくと、復帰後の診察がかみ合いやすくなります。

第5ステップ 戻ったあとも制度は続きます

復職した日で手続きが終わるわけではありません。第5ステップとして、職場復帰後のフォローアップが手引きに組み込まれています。

手引きは、職場復帰の可否の判断やプランの作成には多くの不確定要素が含まれることが少なくなく、周到に準備したとしても、実際にはさまざまな事情から当初の計画どおりに進まないこともある、と述べています。だから復帰後の経過観察とプランの見直しが重要になる、という組み立てです。計画どおりにいかないことが、あらかじめ織り込まれています。

フォローアップの面談で中心に見られるのは、疾患の再燃や再発、新しい問題の発生の有無、勤務状況と業務遂行能力の評価、プランの実施状況の確認、治療状況の確認、プランの評価と見直し、職場環境などの改善、管理監督者や同僚への配慮といった項目です。

就業上の配慮についても、考え方が示されています。数か月にわたって休業していた人に、いきなり発病前と同じ質と量の仕事を期待することには無理があるとしたうえで、職場復帰後の労働負荷を軽減して段階的に元へ戻していく配慮が重要な対策になる、と書かれています。段階的に戻すことが前提であって、初日から全開で働けることを求める設計にはなっていません。

細かい点ですが、短時間勤務を採用する場合は、適切な生活リズムが整っていることが望ましいという観点から、始業時間を遅らせるのではなく終業時間を早めるほうが望ましいとも書かれています。一方で、同僚に比べて過度に業務を軽減されることが逆にストレスを高めることもあるため、業務量の調整が必要だとも述べられています。どちらが合うかは人によるので、面談で自分の感覚を伝える意味があります。

フォローアップにはあらかじめ期間の目安を定め、その期間内に通常のペースに戻すよう目標を立てること、その期間は主治医と連携しながら病態や病状に応じて柔軟に定めることが望ましいとされています。期限を切られて追い立てられるための仕組みではなく、いつまでにどこを目指すかを共有するためのものです。

復帰したあとにまた調子を崩したときにどう考えればよいかは、復職後にまた不調になったときに分けてまとめています。

申し出から復帰まで、どのくらいかかるのか

これはよく聞かれますが、手引きにも日数は書かれていません。書かれているのは、通常、職場復帰の準備にはある程度の時間を要することが多いため、復帰前の面談などは実際の職場復帰までに十分な準備期間を設定したうえで計画・実施することが望ましい、という考え方です。一方で、ケースによっては最終的な決定までのプロセスをまとめて検討することも可能だ、とも書かれています。

つまり、長くも短くもなりえます。実際にかかる時間を左右するのは、主に次のようなところです。

  • 主治医に復職可能の診断書を書いてもらえる状態になるまでの期間
  • 会社の手続きに面談が何回組まれているか、産業医の面談日が月に何回あるか
  • 復職判定の委員会のような仕組みがある会社かどうか(ある会社では開催のタイミングに左右されます)
  • 試し出勤の制度を使うかどうか

このうち自分で早められるものはあまり多くありません。だからこそ、復職の意思を伝えるときに「どんな手順で進みますか」「どのくらいの期間を見ておけばいいですか」と聞いておくと、見通しが立てやすくなります。答えられるのは人事か産業保健のスタッフで、聞くこと自体は何もおかしくありません。

それでも迷うときは

ここまで読んで、決めることが多いと感じたかもしれません。ただ、この5つのステップのうち本人が動かすところは限られていて、第2ステップの入り口、つまり復職の意思を伝えるところと、第3ステップで自分の希望を伝えるところが中心です。残りは会社側の手続きとして進んでいきます。

いま復職の話を進めるかどうか自体に迷っているなら、急いで結論を出す必要はありません。手引きの第3ステップ以降は、医学的に業務に復帰するのに問題がない程度に回復した人を対象にしたものだと明記されています。そこまで戻っていないと感じるなら、まだ第1ステップの続きにいるということです。

会社の手続きが手引きどおりに整っているとは限りませんし、そもそも職場復帰支援プログラムを定めていない会社もあります。その場合でも、この記事に書いた流れを知っていれば、何が抜けているのかが分かります。復帰日だけ決まって配慮の中身が決まっていない、フォローアップの予定がない、といったことに気づけるだけでも違います。

復職そのものが怖い、戻ることを想像すると体がこわばる、という感覚については復職が怖いと感じるときに分けて書いています。段取りが分かっても不安が消えるわけではないので、そちらもあわせて読んでみてください。

わたしたちは就労支援の現場で、復職を経た方にも、復職がうまくいかずに次を考えている方にも会います。振り返って聞くと、手順そのものより、配慮の中身が決まらないまま復帰日だけ先に決まっていた、という形が多いように見えます。日付は決めやすく、中身は決めにくいので、そうなりやすいのだと思います。日付が先に出てきたときこそ、中身のほうを一度確かめてみてください。